メディカルクラークの資格についてガチで調べてみた!
【最終更新日:2021年4月9日】
「メディカルクラークの資格を取得して、医療事務の仕事に就きたい!」という方は多いでしょう。
医療事務の資格全般を「メディカルクラーク」と呼ぶ方もいらっしゃるようですが、正確には「医療事務技能審査試験」の合格者のことを「メディカルクラーク」(医科 or 歯科)と呼びます。
今回は、「メディカルクラークの資格」に関して詳しくお伝えします。
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メディカルクラークの資格とは
「メディカルクラーク(医科)」資格は、一般財団法人日本医療教育財団が実施する「医療事務技能審査試験(医科)」の合格者に与えられる称号(資格)です。
「メディカルクラーク」という称号は、日本医療教育財団が商標登録をしており、別の医療事務資格が「メディカルクラーク」とは名乗れないことになっています。
ですが、医療事務の資格全般を「メディカルクラーク」と呼ぶ人もいます。
これは、「medical」には「医療の」、「clerk」には「事務員」という意味があるので、そのように呼ぶのでしょう。
この記事では、「メディカルクラーク(医科)」= 「医療事務技能審査試験(医科)の合格者」ということで話しを進めていきます。
もし、医療事務の資格全般のことを知りたいという方は以下の記事をご覧になってください。
医療事務技能審査試験(医科)の概要
「メディカルクラーク(医科)」資格を取得できる医療事務技能審査試験(医科)の概要についてお伝えしたいと思います。
医療事務技能審査試験(医科)は、日本最大級の医療事務試験です。
診療報酬請求事務業務や窓口業務(受付業務)など、医療事務職として求められる能力が備わっているかが審査されます。
試験は昭和49年(1975年)から実施されており、45年以上の歴史と実績があります。
試験は年12回(毎月)実施され、総受験者数は約163万人、合格者数は約92万人以上です。※ 平成27年度の受験者数は約24,000人
2019年からは在宅試験になりました。
試験日があらかじめ決められており、試験日の当日の午前中に試験問題と解答用紙が宅配便で自宅に送られてきます。
受験終了後は、当該試験日の翌日まで(試験日当日または翌日の消印有効)に、返送します。
※ 簡易書留など発送記録の残る方法(普通郵便不可)で同封の返信用封筒に試験問題・解答用紙を封入します。
資格概要 | 医療事務業務に従事する者の知識および技能の程度を審査し、証明することにより、医療事務職の職業能力の向上と、社会的経済地位の向上に資することを目的として実施。 |
受験資格 | 特になし |
試験日程 | 年12回(毎月) |
試験内容 |
■ 学科・・・・・医療事務知識 筆記(択一式) 25問(60分) ■ 実技 I ・・・・・患者接遇 筆記(記述式) 2問(50分) ■ 実技 II ・・・・・診療報酬請求事務 明細書点検 4問(70分) |
出題範囲 |
■ 学科 ① 医療保険制度 ■ 実技Ⅰ コミュニケーション(医事課患者応対) ■ 実技Ⅱ 診療報酬請求事務・・・医科診療報酬明細書(出来高請求)の点検 |
時間 | 3時間 |
試験場所 | 在宅試験 |
受験料 | 7,700円(税込) |
合格基準 |
実技試験 I ・II および学科試験の各々の得点率が70%以上で合格。 |
主催団体 |
一般財団法人日本医療教育財団 〒101-0064 東京都千代田区猿楽町 2-2-10 TEL:03-3294-6624(代) FAX:03-3294-1787 |
備考 |
試験内容に関して
試験は実技試験Ⅰ(50分) 、学科試験(60分)、実技試験Ⅱ(70分)の3時間です。
医療事務試験の中で患者接遇についての出題があるのは珍しいです。
①実技試験 I |
患者接遇 筆記(記述式) 2問(50分)
窓口や電話での対応についてです。 主に自分が受付担当者として患者さんから質問されて、それに対してどのように解答するかを400字程度の文章で答える問題が2題出題されます。 |
②学科試験 |
医療事務知識 筆記(択一式) 25問(60分)
3択問題で、医療保険制度、公費負担医療制度、診療報酬算定の問題など幅広い分野から25題出題されます。 |
③実技試験 II |
診療報酬請求事務 明細書点検 4問(70分)
4枚のカルテをもとにそれぞれ作成されたレセプト4枚を突き合わせし、誤りを訂正するという内容です。 |
メディカルクラーク資格の難易度は?
医療事務技能審査試験(医科)は、3つの試験(学科試験、実技試験Ⅰ、実技試験Ⅱ)の正答率がそれぞれ70%以上で合格となります。
それぞれ70%以上の正答率が求められると聞くと、一見「難しいのかな?」と思ってしまいますが、合格率はどうなのでしょうか・・・。
実は医療事務技能審査試験(医科)は、合格率が非公表(試験の実施団体が公表していない)なんです。
推察ではあるのですが、合格率は50~60%だと思われます。
仮に不合格になった場合でも「試験科目免除制度」があります。
「試験科目免除制度」とは、3科目すべてを受験したうえで得点率70%に達した科目については、6カ月間に限り受験が免除される制度です。
例えば、実技試験Ⅰと学科試験は得点率70%以上だったけど、実技試験Ⅱが得点率70%以下だった場合、
6ヵ月以内に実施される試験では実技試験Ⅰと学科試験が免除され、実技試験Ⅱだけに合格すれば良いという制度です。
試験は1ヵ月ごとに実施されるので、合格(資格取得)はさほど難しくないでしょう。
メディカルクラーク資格を取得するには
医療事務技能審査試験(医科)には受験資格が設けられていませんので、どなたでも受験可能です。
メディカルクラーク資格を取得するには独学と講座受講の2通りの方法があります。
あなたに適した方法でメディカルクラーク資格の取得を目指してください。
独学の場合
テキスト、問題集などの学習に必要な教材はご自身で買い揃える必要があります。
レセプト点検攻略ドリル(実技試験II対策)、過去問題集はニチイ学館のホームページから購入できるので良いですが、ネックとなるのはテキストです。
試験に対応した公式テキストはニチイ学館のホームページで販売されていません(市販もされていません)。
ヤフーオークション、メルカリなどに出品されている公式テキストを落札して入手するか、試験範囲をカバーした市販のテキストで代用するしかありません。
フリマアプリやオークションサイトでニチイの公式テキストを入手する際は直近の試験に対応しているか否か(最新のテキストか)を確認する必要があります。
古い内容のテキストだと直近の試験(これから受ける試験)に対応していないかもしれないからです。
市販のテキストで代用する場合は、以下の内容が学べるものを選びましょう。
・医療保険制度の基礎知識
・患者接遇マナーや職場でのコミュニケーションスキル
・医療費(診療報酬点数)の算定方法
学習方法は、テキストで一通り知識を付けた後はひたすら問題集に取り組むのが良いでしょう。
講座を受講する場合
ニチイ学館の医療事務講座(通学 or 通信)が医療事務技能審査試験(医科)に対応しています。
独学では難しいと思われる方は受講を検討してみましょう。
講座受講のメリットは、必要な教材が全て揃っていること、学習につまずいた時にいつでも質問ができることなどが挙げられます。
それに独学には無いメリットとして、就職サポートがあります。
ニチイ学館は全国約8,000件の医療機関と契約していますので、適正や条件が合えば、就業先の紹介を受けられる可能性があります。
資格取得後に就業を目指す方にはうれしいサポートでしょう。
2018年からは正社員のお仕事紹介も始まったそうです!
資料は無料で取り寄せられますので、興味がある方は資料を取り寄せてみてはいかがでしょうか?
メディカルクラーク資格は履歴書にどう書くの?
就職試験の際に送付する履歴書の取得資格欄には「メディカルクラーク(医科) 」と記載すればOKです。
歯科に合格された方は「メディカルクラーク(歯科) 」でOKです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、「メディカルクラークの資格」について詳しくお伝えしました。
一般財団法人日本医療教育財団が実施する「医療事務技能審査試験(医科)」の合格者が取得できる「メディカルクラーク(医科)」資格は最もポピュラーな医療事務の資格です。
難易度もそう高くはありませんので、「医療事務の仕事に就きたい!」という方が取得を目指すには最適な資格と言えるでしょう。